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チェンソーマン レゼ編|切なすぎる恋と爆発の映像美に酔う100分

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Blogサムネイル_チェンソーマン_レゼ編 アクション
@cinemalog.space

映画公開日:2025年9月19日
※この記事には一部ネタバレを含みます。

作品概要

チェンソーマンは、藤本タツキ原作のダークヒーローアクション。
極貧の少年デンジが、死の間際に悪魔と契約してチェンソーマンとして生きることとなり、「公安対魔特異4課」で悪魔や魔人と戦っていく物語です。
デンジの欲望に正直で無邪気な性格、そして一切先の読めないストーリー展開が人気を呼びました。テレビアニメが2022年に放送され、本作はその中でも特に支持の高い“レゼ編”を再構成した総集編映画です。

レゼ、レゼ、そしてレゼ

原作漫画は追って読んでいますが、アニメ版は未視聴。そのため今回はアニメとの比較ではなく、一本の劇場アニメとして感じたままを書きます。

この映画はとにかく「レゼ」の存在に尽きる!
タイトルに掲げられている通り、彼女がヒロインとして、そして敵として、この映画の中心を一人で持っていってしまう。上映時間100分という限られた枠の中で、デンジとレゼ以外の登場人物はかなり抑えられており、初見の人には「濃い脇役がいるけど誰だろう?」という部分もあるかもしれません。
けれども、それがむしろ功を奏していて、デンジとレゼの関係性にしっかり焦点が当たっています。恋、憧れ、そして裏切り――。余計な枝葉を省いた分、2人の感情がまっすぐ突き刺さる構成になっています。

切なさと爆発のコントラスト

前半はレゼとデンジの淡い関係を丁寧に描いています。
マキマにまっすぐな思いを寄せていたはずのデンジが、レゼの自然体かつ奔放な魅力に翻弄され、だんだん距離を詰めていく。その流れがとてもリアルで、恋愛描写の繊細さに驚かされました。
特に、2人のデートのシーン。MAPPAが描く“なんでもない日常の美しさ”に息を呑みます。街の照明、水面のゆらぎ、風が通り抜ける音――そうした一つひとつの“間”が、この映画の切なさの土台を作っていると感じました。

そして後半、爆弾の悪魔と化したレゼとデンジの戦闘へ。
ここはまさにMAPPAの真骨頂。変身、爆発、破壊、そして音響。映像と音の連携が凄まじく、観客として一瞬たりとも目を離せません。
正直、迫力がありすぎて「今どこを爆破してるんだ!?どこ斬っているの?」とわからない瞬間があるほど(笑)。
でもその“圧倒される感覚”こそが、チェンソーマンらしさなんですよね。理屈ではなく、情動で押し切るタイプの映像体験です。

静かに落とし込まれる痛み

戦いを経た後に訪れる静かな余韻。エンドクレジットの後まで丁寧に描かれる恋の結末は、なんともやりきれなく、それでいて美しい。
レゼというキャラクターの儚さと、デンジの愚直さが最後に交わる瞬間、本作が原作の中でも特に印象的で名高いエピソードである理由がはっきり感じられます。
観終わったあと、強い喪失感と共に、二人の儚い時間を深く味わうことができました。

まとめ

レゼにすべてを捧げた一本。
アクションでもラブストーリーでも、どちらの面でも満足度が高い。
MAPPAによる映像と音の暴力の中に、心をえぐるような優しさがある。
それがこの『チェンソーマン レゼ編』の真骨頂だと感じました。

ラストを彩るのは、米津玄師さんと宇多田ヒカルさんによる奇跡のコラボ曲『JANE DOE』。二人の歌声が静かに余韻を深めてくれます。

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